沖本 普紀

沖本普紀氏は、事業会社、金融機関、コンサルティングファームにわたる広範な業界において、国内外での豊富な事業経営・再生の実務経験を有しています。その間、経営者、債権者・株主、アドバイザーのそれぞれの立場で事業の成長と再生に深く関与してきました。

アドバイザリーの分野では、デロイトトーマツのグループ会社社長、ボストンコンサルティンググループの事業再生プラクティスのパートナーなどを歴任しました。

また、米系事業再生コンサルティング会社アリックスパートナーズから出向し、国内外の事業会社の暫定CFO職、再建計画立案、業績改善などに従事しました。ATカーニーにおいては主として金融機関に対し戦略立案と実行を支援しました。

一方で、複数の事業会社の経営者(CEO、COO、CFO)として、経営管理の確立やターンアラウンド局面を主導しました。ベンチャー企業経営者としても、関与した2社を上場へと導き、また、起業したコンサルティング会社のデロイトグループへの売却に成功しております。

金融業界においては、富士銀行(現みずほ銀行)において、主として米国における不動産融資・不良債権のワークアウト、SBIホールディングスにおいて、ベンチャー投資審査、ポートフォリオ管理、上場投資先企業の再建で実績を挙げております。

今後、沖本氏の様々な分野における経験を活かし、フジテックの資本政策や、グローバル戦略の立案に寄与していただけるものと考えております。 なお、沖本氏の主な事業経営及びターンアラウンドの具体的実績は以下のとおりです。

  • LDH(旧ライブドア)のライブドア事件後のCFO/CROとして、百億円規模の上場子会社売却、債権回収などの財務リストラクチャリング、アクティビストファンド株主対応、ボード・マネジメントなどを行い、事業整理、早期の株主配当に寄与
  • 経営不振に陥っていたディジット・ブレーン(当時JASDAQ上場)の代表取締役として、複数の子会社の法的整理を含む組織再編、7割の人員削減などを実施し、結果として在任期間中に時価総額を3.5倍に引き上げ
  • ターンアラウンド過程で参画したニイウスコー(当時東証二部上場)の副社長CFOとして、前経営陣による粉飾決算の実態解明、人員削減、IR、コンプライアンス確立、銀行団との財務リストラ交渉、民事再生申立てと新スポンサーへの事業譲渡のプロセスを主導
  • 起業したインターネット金融サービス会社の社長として、また、スタートアップのソフトウェアメーカーにCFOとして参画し、2社とも上場に成功

プロフィール詳細

1986 年 4 月株式会社富士銀行(現みずほフィナンシャルグループ)
1997 年 4 月A.T.カーニー株式会社
1999 年 4 月SBI ホールディングス株式会社(旧ソフトバンク・ファイナンス)
2004 年 10 月トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社 取締役 CFO
2006 年 2 月リアルコム株式会社(現 abalance)取締役 CFO
2008 年 1 月ニイウスコー株式会社 執行役員副社長 CFO
2008 年 8 月アリックスパートナーズ・アジア・LLC ディレクター
2012 年 9 月合同会社サンセット・マネジメント 代表社員(現任)
2014 年 10 月デロイトトーマツ・アンカー・マネジメント 株式会社 代表取締役社長
2016年6 月デロイトトーマツ・ファイナンシャル・アドバイザリー合同会社 事業リストラクチャリング部門責任者(兼務)
2019 年 8 月ボストン コンサルティング グループ パートナー
2023 年 4 月株式会社 Olive Union 社外取締役(現任)

沖本氏からのメッセージ

Message

私は、かつて上場廃止後のライブドア(当時LDH)のCFOとして、大株主であるアクティビスト・ファンド数社と正面から対峙しました。といっても、一般個人株主が8万人もいる株主構成で、すべての株主に対する責任を負って仕事をしました。結果的には、傘下の事業会社を切り売りする形で株主還元をしたのですが、その過程で、アクティビスト・ファンドの論理も理解したつもりです。

今回のフジテックの事案においても、会社側(経営側)と株主の対話チャネル・通訳としてより良い方向に機能できればと思っています。