木村 一義

木村一義氏は、日興コーディアル証券株式会社(現 SMBC 日興証券株式会社) 取締役会長、日興アセットマネジメント株式会社の取締役社長、日興コーディアル証券株式会社(現SMBC日興証券株式会社)の取締役会長を歴任し、40年以上にわたる日本の証券業界での職務を通じて日本の資本市場に貢献してきました。その後、日立工機株式会社(現 工機ホールディングス株式会社)や大和ハウス工業株式会社の社外取締役を務め、同時に、株式会社コジマの代表取締役社長を歴任した後、2020年にはコロナで苦戦を強いられていた株式会社ビックカメラの代表取締役社長に就任し、証券業界で培った経営力を活用して各社の収益性向上及び後任経営者の育成に貢献しました。現在は、スパークス・グループ株式会社及び株式会社ワールドホールディングスの社外取締役を務めております。

木村氏は、証券業界の実務経験を通じて培ったフェアディスクロージャー・ルール等の投資家保護に関する徹底した意識を有しており、また、市場での評価が企業価値のフェアバリューであるという考えを持っています。木村氏には、市場・投資家目線で変化する時代の課題を吸収しながら行う企業価値の持続的成長こそが企業のミッションであるという観点から、企業のガバナンスを経営者や社外取締役の立場で実践、助言してきた実績があります。

さらに、木村氏は、企業の持続的成長のキードライバーは「従業員エンゲージメントの向上」であるとして、人的資本への投資にも強い信念を持ち続けておられます。以上の経験や実績から、木村氏はフジテックのコーポレートガバナンスの向上及び長期的な企業価値向上に大きく貢献できると判断し、木村氏の社外取締役への選任をお願いするものであります。

プロフィール詳細

1967 年 4 月日興證券株式会社(現 SMBC 日興証券株式会社) 入社
2000 年 3 月同社 取締役副社長
2001 年 6 月日興アセットマネジメント株式会社 取締役社長
2005 年 6 月日興コーディアル証券株式会社(現 SMBC 日興証券株式会社) 取締役会長
2007 年 2 月株式会社日興コーディアルグループ 代表執行役会長
2011 年 6 月日立工機株式会社 社外取締役
2012 年 6 月スパークス・アセット・マネジメント株式会社 監査役
2012 年 6 月大和ハウス工業株式会社 社外取締役
2012 年 11 月株式会社ビックカメラ 取締役
2012 年 11 月株式会社コジマ 取締役
2013 年 9 月株式会社コジマ 代表取締役会長兼社長代表執行役員
2020 年 6 月スパークス・グループ株式会社 社外取締役(監査等委員)(現任)
2020 年 9 月株式会社コジマ 取締役
2020 年 9 月株式会社ビックカメラ 代表取締役社長
2023 年 3 月株式会社ワールドホールディングス 社外取締役(現任)

木村氏からのメッセージ

Message

私の考える「ガバナンス」とは、企業の持続的成長(経済的価値)こそを主の目的とする企業統治であり、従として時代の変化、課題を洞察しながら、社会から信頼され必要とされる(社会的価値)企業の姿勢をクリアにしながら、成長による市場で評価される中長期的企業価値向上への不断の取り組みの“仕組化”がガバナンスと考えます。企業は社会から信頼され必要とされる製品、商品、サービスの付加価値をイノベーティブに追求し続けることでしか成長はありません。そしてその継続が持続する不可欠なマテリアリティーは「従業員とお客様のエンゲージメント」です。共感できる企業成長に向けた経営戦略、事業戦略を机上だけでなく現場重視でそれを担う「人」への投資を大切にすることで従業員の共感できる成長戦略が持続する体制づくりがガバナンスと考えます。

今のフジテックを報道で知る限り、成長の為の本質的議論や施策がまだ見えず、特定の株主の意向で一部の取締役の辞任勧告等経営戦略以前のガバナンスを危惧します。日々懸命に業務に取り組んでいる従業員や長期にわたる信頼関係が不可欠なエレベーター事業のお客様の不安もとても危惧します。従業員とお客様のエンゲージメントを最優先に持続的成長をコミット出来るようにオープンに、フェアに、フリーに議論し、また市場へのタイムリー、フェアなディスクローズと株主との対話も重視する取締役役会を目指していきたいと考えます。

私のガバナンスの考えは、異業種(証券、小売りサービス)でのトップ経営者、最高経営責任者として評論家的目線ではなく、結果責任を厳しく問われる実体験の中で、また長年複数上場企業の社外取締役で取締役会議長,指名報酬委員会委員長として常に当事者意識で社内取締役、執行役と共働を心掛けてきた中で醸成された信念です。評論家、又指導者目線でなく共働する中で時にはサポート、時には監督、けん制が実践的に有効に機能するのです。しかし倍速モードで変化、進化する現代、過去の成功体験は役立つどころか邪魔にさえなることも多く、常に“これから”を洞察しながら“今”為すべきことを過去の経験からだけではなく新たな、革新的な発想を意識して臨んでいます。

これまで何より有言なフジテックの同業他社をアウトパフォームする業績推移を見て、信頼できる経営戦略、事業戦略のもと懸命に取り組んでいる社内役員、従業員の皆様が大切にしてきた創業来の理念「人と技術と商品を大切にしてー」そして「三方よし」に拘り続ける実直な企業文化を基に、これからは更にこれまでの前例、常識にとらわれることなく、市場での評価をフェアバリューと考え、市場で評価される企業価値向上へ挑戦し続ける体制作りにオープンでフェアでフリーな活発な議論とタイムリーでフェアなディスクローズと株主との対話を充実する等ステークホルダーの皆様からの期待に応えられる責任を持つ取締役会となる様貢献できたらと願っています。