西川 徹矢

西川徹矢氏は、警察庁入庁後、汚職事件、大型知能犯事件の捜査を指揮し、警察庁警備局外事課付・外務事務官に併任され、外務省研修を受けた後、在フィリピン日本大使館勤務となり、当時のマルコス政権末期の情報収集や動静把握等に従事した経験を有しております。また、警視庁刑事部及び防犯部の幹部指揮官として、インサイダー事件の捜査指揮や超大手スーパーの総会屋事件にも取り組んだ実績があります。

さらに、防衛参事官として防衛庁内のITを一手に担うサイバー担当となった他、人事教育局長としての人事指導行政の遂行や防衛庁官房長として「防衛庁の省への 移行」問題に従事した経験があります。

現在は、弁護士として、企業法務、一般民事、企業犯罪関連事件に関与しております。

西川氏は、国内外の不正・犯罪行為及び企業不祥事の対処における卓越した実務経験並びに大規模組織の運営及び改革遂行能力を有しており、危機管理、不祥事対応、ガバナンス及びリーガルの分野において、コーポレートガバナンスの強化を図っていただけるものと判断しました。

なお、西川氏は2017年秋の叙勲において、「瑞宝重光章」を受章しております。

プロフィール詳細

1972 年 4 月警察庁入庁
1989 年 8 月警視庁刑事部捜査第二課長
1991 年 1 月警視庁刑事部参事官兼防犯部参事官
1993 年 4 月和歌山県警察本部長
1998 年 3 月新潟県警察本部長
2005 年 8 月防衛庁長官官房長
2007 年 1 月防衛省官房長
2007 年 12 月明治安田生命相互保険会社顧問
2009 年 8 月内閣官房副長官補
2011 年 11 月損害保険ジャパン日本興亜株式会社顧問
2012 年 1 月弁護士登録(第一東京弁護士会)笠原総合法律事務所入所
2012 年 6 月株式会社太平エンジニアリング社外監査役(現任)
2013 年 5 月株式会社セキド社外監査役(現任)
2013 年 6 月株式会社ラック社外取締役
2014 年 6 月清水建設株式会社社外監査役
2016 年 3 月公益社団法人岩谷直治記念財団評議員(現任)
2016 年 3 月岩谷産業株式会社特別顧問(現任)
2018 年 7 月一般社団法人日本宇宙安全保障研究所監事(現任)
2018 年 12 月株式会社創建社外監査役(現任)
2019 年 10 月公益社団法人斯文会理事(現任)
2020 年 6 月公益社団法人講道館理事(現任)

西川氏からのメッセージ

Message

大学卒業時に、「社会に直接役立つ仕事をしたい」とキャリア官僚を目指し、「時代の風潮」を諸に浴びて、警察庁に就職。また、個人的なライフワークに「情報化社会」を選びました。警察界では、組織の管理運営とともに、汚職事件や総会屋事件、インサイダー犯等の経済知能犯の捜査指揮をとりました。この間、在マニラ日本大使館で勤務し、マルコス政権末期3年間の騒動の中で得がたい経験もしました。後年は、防衛庁に出向し、同庁のIT政策を一手に取りまとめる新設の準局長ポストを務め、2つの局長を経た後、官房長として「防衛庁の省移行」実現に尽力し、初代防衛省官房長で退官。その後、民主党政権下で2年間、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)長を兼ね、危機管理・国家安全保障担当の内閣官房副長官補として、時の防衛大綱の修正と東日本大震災発生当初6ヶ月間の事態対処を指揮しました。現在は、弁護士として、企業法務、一般民事、企業犯罪関連事件の処理等に関与しております。

この度、改めて社外取締役候補として貴重な機会を与えていただいた。個人的には、これまで、「表」、「裏」の両面から関わりのあった社会活動分野であり、時には、社会秩序維持上機微とされる”社会制度の内部崩壊”事象に関わる可能性があるとも言われ、その責任の重さに緊張を感じることもあります。

取り分け、この話が持ち込まれた時に考えたことは、これまでの私の社外取締役や社外監査役・独立役員の経験とはかなり異なる場面が多々あり得るだろうが、そのいずれをも看過することなく、従前の議論との調和性や異質性によく目を配り、我が国の文化・文明的な在り方の中で、十二分に調和のとれたもの、いわばある意味「正道」的なものの規則化に努めるなど何かでお役に立てないものかと感じました。

やはり、一部の関係者の考え方や極端に変調した思い込みをベースにした一方的な発想や行動方針の押しつけは、多種多様な人や地域の営みの中でいずれ軋轢をもたらすと思われる。これを回避しつつ、解決の道を探るには、常に相互理解と相互尊重をベースにしながらも、時に対立や対決的な取組や発想をも考慮すべきであろうかと思います。